hangiumのブログ

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black mass

レイトショーでブラックマスを見てきました。

邦題はブラックスキャンダルだそうです。

多分いろいろ配慮したのでしょう。日本人らしい気配りです。

さて、映画のほうですが、実話を題材にしている通り、かなり生々しく、日本人らしい気配りとは真逆な作品です。僕だったら、もっと過激な題を付けたいです。

日本はよくわかりませんが、アメリカはかなり映画もジャーナリスティックです。最近でも南米の麻薬王のドラマや映画が作られていますし、リアルな犯罪をモチーフにした作品が一定数作られている気がします。

そういえば、「オールズキングスメン」という映画も汚職を批判して当選した正義感あふれる政治家がいつの間にか、堕落してしまう映画でした。

「ブラックスキャンダル」は犯罪組織の元締めの兄と、上院議員の弟という対照的な組み合わせが面白く、ジョニーデップとカンバービッチが好演してます。

このジョニーデップが演じるジミーが人を殺しまくって大変です。まるで人を殺すことに使命を感じているかのごとく、熱心に人を殺し、人を恐喝したりします。でも母親や家族を大切にする心の持ち主だったという一面も出てくるので面白いのですが、このあたりは描写だけで終わってしまったようでした。

ただの娯楽作品でもなく、ただのジャーナリズムに陥ることもなく、この両面を満たした作品としては面白かったです。日本のテレビや映画業界とはとても比べられない自由度だと思いました。暴力の描写も人間は死ねばただの物体になるというキリスト教的な思想をこれでもかと体現してますね。

スコセッシの映画にも、イタリア系マフィアとアイルランド系マフィアの抗争や反目が出てきたと思いますが、イタリア系とアイルランド系は仲が悪いんだなあと感じましたが、アイルランド系の警官がイタリア系マフィアのメッセンジャーに成り果てるシーンは人種的にも、職業的にも二重の裏切りとなってしまい、逆に滑稽でおかしみがあるシーンでした。

そういう変なシーンが多く、非常に面白かったです。全体的な話のつながりがやや悪かった気がするのが、残念な気がしましたが、もう一度見てみたいです。